2008年04月03日

断熱によるCO2削減

ヤッター!!

と言っても特に HEROESも マシオカさんも IQ189も関係ありません ,,orz

以前より進めてきました
【 次世代断熱基準の半分の熱源で 快適に暮らそう 】計画!(・・長い)
にて 現在お住まいのクライアント様より続々と 報告書が届いていまして

※実際お住まいのクライアント様に 毎月の光熱費のデータを取って貰っているのです。
 そぅ・・ナントモめんどーな事 お願いしてる私です(汗


その中でも ちょうど1年経過の邸宅を ご紹介させて頂きましょうとも。

細かい数字は 一人歩きすると危険なので伏せますが
まずは サンプルデータとして某様邸

■給湯:電気(エコキュート)
■冷暖房:電気のみ(ヒートポンプ)※全館空調
■空調空間:177.39㎡ ※h-2400として

俗に言うオール電化住宅にて
次世代区分における Ⅱ地域(飛騨高山地区)のQ値より
半分の熱源で暮らして頂ける為の断熱性能
を想定しました。

※2地域基準=Q値1.9w(熱損失係数)
※個人的にオール電化住宅を推奨している訳ではありません。


そこで実際の算出と言えば 単純に冷房も暖房も使わない
使用量・金額共に低い月を基準に

どれだけ電気使用量が増えるかを差し引きます。

■暖房を使った期間は10月~5月

その差額を引いて ザックリ思い切りおおざっぱな数字を
そのまま暖房費としてカウントし 各月を足していきます。

※単純計算ですので 水道ヒーターや機器ロス分もごっちゃです。

その数字を次世代断熱基準で算出した 年間暖房費と比べるのです。

細かな計算式は放っといて 金額ベースにて比べると
次世代基準の39%/年間で済んでるでは無いですか!

そう 単純にロス分等全部引っくるめても
61%OFFとなっているのです。

エアコンは動力でも無い 普通のヒートポンプ暖房ですよ。
しかも全館セントラル。

ヒートポンプ暖房は 外気温が2度になるだけで
その能力の60%近くしか発揮出来ません。

氷点下になったら それこそ霜取りばかりで
能力は20%を切る事もあるのにです。

そぅ 冬期は悪戯に電気を食う代物に成り得るにも関わらず。
※その為 灯油ヒーター設置を予定していましたが 結局使わず(笑

秘密1※こちらの邸宅はオリジナルにて排熱利用をしています。

これには 正直驚きました。

この邸宅の計算時 不確定な日射取得を少なめに算入したので
そのせいもあるかと思いますが 計算上は 49~52%に収まるハズでした。

計算より1割も嬉しい誤算は その分がそのまま
地熱回収によるものかも知れないからです。

秘密2※地熱の回収および蓄熱も同時に行っています。

熱負荷計算には 地熱回収分は正式なデータも無く
算入していませんでしたので 今後 色々なデータを取って
計算式に落とせるよう頑張ってみようかと ほくそ笑んでおります。はは。

ただ

ここまでなら単に年間○○万円浮いた!って話ですが

その恩恵には 断熱使用部材の増加と言う
家を建てる際 余計に使った資源分を忘れてはいけませんね。

そこで今回出た 暖房負荷削減分をCO2換算してみますと
暖房削減分だけで 3494㎏/年のCO2が削減出来ている計算になります。
※CO2換算係数:0.44kg/Kwhにて算出

これ 良く解らない数字ですが
エネルギー経済研究所が毎年発行している
2007年版エネルギー経済統計(全国平均)から見た
一般家庭のCO2排出換算が 4416kg/世帯/年になっている事を思えば
その8割近くを削減した事になります。
※あくまで発表平均値との単純比較です。

これで行くと断熱材等 資源を余分に使ったCO2余剰分は 5年程度で
金額的にも3年以内に回収できて あとは儲けと言う事になります。

部材決定にコストを絡めて考えると言うのは こうゆう事です。

これは投資として考えると リスクの無いハイリターンと言えそうです。

もちろん この数字はあくまで次世代断熱を基準に
考察していますが その基準すら復旧率は1割台と言う現実を見て

通常の新省エネ基準程度からの差を考えた場合
そんな比では無くなってしまう事が解ります。

また冷房は そんなにウエイト占めないので省きましたが
同様に考えると 年間冷暖房費は確実に少なくなるって事です。

なんだかんだ言っても 
飛騨の長い冬を温かく快適に暮らせる事が 嬉しい有り難みであり
また私達にとっては クライアント様の喜びの声が 一番の機動力になります。


もちろん クライアント様の暮らし方でも 大きく左右されますが
こちらの場合は 1年目にも関わらず大変お上手に暮らして頂いた様です(礼
慣れて来られた来年のデータが楽しみですね。

省エネ=我慢ではありません

快適に暮らしていただける住環境があって初めて
その環境が実は 気候変動抑制にも貢献していた
なんて二次的恩恵が生まれるべきかと。

やはり 断熱は使用する部材云々では無く施工精度!
イメージで無い性能が求められると思うのです。

もちろん その住宅が永く存在できれば
その分カーボン固定量/年 も伸び環境負荷は減る事に


かなり丸めて紹介しましたので 語弊もあるかと思いますが
今後 幾多のデータより 細かくシュミレーションしてみたいと考えますv

ご協力頂いておりますクライアント様 本当にありがとうございます。

こんな感じの建物が増えれば 家庭部門でのCO2削減の糸口は
掴みやすいんだけどなぁ って春の一考でした。


関連リンク:CO2に置き換えて







ぐっ





断熱によるCO2削減



Q値 = (Sigma(Ai Ki Hi)+Sigma(Lfi Kli Hi + Afi Kfi) + 0.35nB) / S

  Q : 熱損失係数
  Ai : 外気または外気に通じる床裏、小屋裏もしくは天井裏に接する第i部位の面積
  Ki : 第i部位の熱貫流率
  Hi : 第i部位または第i土間床等の外周の接する外気等の区分に応じて掲げる係数
  Lfi : 第i土間床等の外周の長さ
  Kli : 第i土間床等の外周の熱貫流率
  Afi : 第i土間床等の中央部の面積
  Kfi : 第i土間床等の中央部の熱貫流率
  n : 住宅の種類に応じた自然換気回数
  B : 住宅の気積
  S : 床面積の合計


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Posted by   Eye's   at 11:45│Comments(4)家を建てる前に
この記事へのコメント
こんにちわ。ピザテンフォーのyutakarlsonです。確かに「省エネ=我慢」ではありませんね。我慢我慢ばかりでは、エコなど息苦しくてなかなかできませんね。以下で紹介させていただく事例も、「エコ=我慢」ではなく、美味しさを追及したところ、エコになったというもてのです。ピザ宅配というと、環境問題からは縁遠いと思われがちですが、私達は紙のピザボックスそのものを、なくす運動を昨年より展開中です。この運動が実を結び、4月1日から「あつエコ宅配」という名前で全国の店舗で実施する運びとなりました。キャンペーンとしては、お皿の無料配布を4月24日まで実施しています。紙のピザボックスのかわりに、「あつエコプレート」という耐熱陶器皿で商品をお渡しすることになります。これによって、専門店と同等の美味しさを提供させていただくとともに、紙のピザボックスをなくします。ピザテンフォー全店で、紙のピザボックスをなくしたとすると、年間680トン以上のCO2削減効果があります。
詳しくは、私のブログを是非ご覧になってください。
そちらには、残念ながら近くにお店はないとは思いますが、「美味しいエコ」をお届けするテンフォーをよろしくお願いいたします。
Posted by yutakarlson at 2008年04月04日 11:49
こんにちはです。二度目まして orz
こちらド田舎で申し訳ありませんが(涙)北海道もそろそろ春ですか?
飛騨は そろそろ春ぽくなってきました。【あつエコプレート】応援してます。

美味しさを追及したとこ エコになっちゃったなんて素敵ですね。

あぁ ピザ食べたくなってきましたよ(笑
お隣富山には 何店舗かあるみたいですね。
Posted by Eye's at 2008年04月04日 15:01
こんばんは!
古い記事にコメント申し訳ありません

次世代基準の60%OFFってすごいですね!
今度詳しくデータ教えてください(笑)

換気はやっぱ熱交換ですか?
Posted by biobio at 2008年04月09日 21:41
おはようございます。でしょでしょ(笑
さすがbioさんなら 内容の正当性とか意味とか
解って頂けると思います(笑

ランニングコスト面からも 確実に恩恵が確認出来ました。
断熱はイメージで無く やはり施工精度ですよね。

少なめに算出してた 日射取得も効いたかもしれませんが
また ディスカッションいたしましょう^^

換気は基本 全熱交換をチョイスしています。
今回この邸宅では その排熱回収も行ってまして
ランニングコスト面では 一役買ってると感じています。
Posted by Eye's at 2008年04月10日 09:06
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