2007年04月06日

200年住宅への提言法案

自民党案として 耐用年数が最大で200年に達すると言う
長持ち住宅の建設促進・普及に向けた法案が上がっている。

戸建て・集合住宅の施工内容・改修や維持管理などの
履歴を明示した「家歴書」作成の制度化や
税制上の優遇などを念頭に置く基本法の制定を検討するとの事。

それに伴い中古流通市場や新たな住宅ローンの仕組みなども整える。

着地点としては申し分無いが
その前に 底辺の底上げ徹底が必要だろう。

実際 現在の日本における建て替え年数の平均26年と言うのは
先進国中最下位。まさに脆弱な社会資本だ。

    200年住宅への提言法案   
  イギリス ウェールズ地方シュールズベリーのMedieval Town
  美しいチュダースタイルの街並みは軽く200年を越える。



技術面については 現在の建築基準法の遵守だけでは 200年耐久は まず無理。

最高基準とされる 住公の高耐久基準でさえ 60年を狙っているらしい。

ただ コストさえ許してくれれば技術的には
実はそんなに難しい問題ではないと思われ。(各個人の精神的改革は必要だが)

その前の基本的な必要条件として まず
これまでの30年 そして希望としての60年しかない耐久性では
見えてこなかった問題として

・次世代基準を上回る断熱性
・数百年に一度あるだろう大地震に耐える事
・火事に強い事
・可変性がある事。
・デザインが美しい事


最低この4つが上げられる。


断熱性については ここ10年くらいを見ても
新省エネ基準に始まり 次世代断熱と基準が上がってきているが
未だ新築住宅で 次世代断熱を正確にクリアしていない住宅が
8割を越すと言う現実は頂けない


その辺 基本を押さえていない断熱は どんな高性能の断熱材を使っても
効かないと言う事実の徹底も必要。


また大地震や火事については やはり30年程度の耐久性では
見えてこなかったが 60年越えの耐久を狙ったら 確実に考えなくてはいけない。
※何もヘンテコな防火建材を使えって事ではありません


そして 可変性とデザイン
60年の耐久性で 最低でも親子2代。 
90年越えの耐久性なら 3代は受け継がれていかなければいけません

自分の息子世代でも趣味が違うと言うのに
孫の考えるだろう事 またその頃のスタイルまで推察は不可能。

もちろんメンテナンスは発生しても そうやって 世代を繋いで同じ住宅が共有出来れば
確実に住宅費の割合が減り 今度はその家庭に『お金』と言う財産が残ることになる。

だから デザインは歴史に裏打ちされた美しいモノ。
なんとか・・なんてのは もぅ社会悪。

昨年流行った無理矢理な なんちゃってプロヴァンス風?なんてのが紹介された
住宅雑誌など 未だフランスの知人には見せられない(-_-;)


そして 世代が替わってその世代の生活ニーズに
簡単に変更できる可変性が不可欠。


すなわち 壁を抜いたり 柱を抜いても強度が保たれる様
初めから推測して創り またその証拠も残しておく事が必要

そんな基本については 政府として党住宅土地調査会が5月に提言をまとめ
6月に作成する「骨太方針2007」に反映させるらしいので
その時にでも詳しく解説したい。

・・と まずはやはり
何の判断基準も持てない消費者への明確な基準作りが必要かと。

内容は別としても 真面目に頑張っている工務店が
見せかけだけのローコスト価格に 負ける事例が
全国規模の話として 良く聞くようになった。

その辺は工務店も頑張らなくてはって感じだが。

そして 国として住宅の超耐久を目指すなら 
中古住宅流通のシステムや それに対する税改正。
維持管理システムの提言や金融システムも大幅な革新が必要。


今の 築25年(売買では10年)で資産価値はゼロとなってしまう
根本的な思想や税制から見直す事が大切で
これには 消費者たる『家を建てる』方の意識が 一番の鍵になるのは確かだ。

なんて言いつつ「骨太方針2007」 はやく出ないかな(笑

骨抜き方針にならなきゃ良いけど。

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Posted by   Eye's   at 08:47│Comments(0)なんとなくな雑感
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