2007年10月19日

アジアのNOx排出量

国立環境研究所などの調査発表によると 光化学スモッグや
酸性雨の原因となる窒素酸化物(NOx)のアジア全域での排出量が
1980~2000年の20年間で2倍以上に増えているらしい。

そして現行の規制では20年には更に倍増する恐れがあると。

アフガニスタンから東の 日本を含む24カ国の燃料消費量や工業生産量・
車の走行量・人口などの数値を基に過去の排出量を初めて推計た結果。

アジア全域でのNOx年間排出量は 80年の1070万トンから
00年には2.3倍の2510万トンに増加し 今後2020年には
現状の規制なら80年比で4.3倍の4600万トン。
日本並みの厳しい規制に変更した場合で3160万トンになるとしている。

今後の人口増や自動車の増大が効いてくるのだろう。

↓ちなみに1980年のアジア。排出量は青が少なく 赤くなるほど多い

 アジアのNOx排出量


↓2000年のNOx排出量分布

 アジアのNOx排出量


↓そして2020年のNOx排出量分布予想

 アジアのNOx排出量

見事に昔から日本は真っ赤である・・。
そして 今後さらにアジア全域に広がっていく事が解る。

20年の日本の排出量は 00年に比べ微減の184万トンとしている。

これに対し00年以降の中国の排出増は特に著しく
規制が現状通りなら 20年には2547万トン(日本の約14倍)
00年に比べて2.3倍になる見通し。

この調子でインドが国力をつけると人工増を考え その比では無さそうだが・・。

ただし その中国でも経済成長に配慮した規制強化をとれば
00年比で1.4倍(同約8.5倍)にまで抑えられるという。

途上国に対しては 日本で売れなくなった古いディーゼル車の流入も考えなければ。

これって 対岸の火事ぢゃ無いんだよね。

例えばアジアの風下に当たる日本では アジア圏内での排出によって
光化学スモッグが増えるなど深刻な事態を迎える事となる。


対策次第で将来の排出量多少なりとも抑えられる訳だから 日本は今後
アジア全域に対し強いリーダーシップを持って 発言しなければイケナイ。
これは何も 日本やアジアだけの問題では無いだろう。

全ては繋がっているのだから。


経済に国境はあっても 環境に国境は無い

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Posted by   Eye's   at 09:14│Comments(5)環境
この記事へのコメント
ちなみに、
 第一位:アメリカ:24%
 第二位:中国:18%
 第三位:すみません忘れました
 第四位:日本:5%
以下2,3%未満 色々
 日本の一般家庭からの排出量増加1990年と比較して30%増
 です。
Posted by ひろ くん at 2007年10月19日 14:03
はい。NOx(窒素酸化物)の排出は 発表機関によって数字まちまちですが
だいたいそんな感じですね。でもって3位はロシアだったかと。

でも NOxは自動車や工場由来の排出が殆どですから
米国を中国が抜くのは時間の問題でしょう(汗

日本エネルギー経済研究所の報告によると 現在アジア各国での
排出シェアが全世界の36%ですが 30年には43%になるとか。

現在インドが僅差で日本の下ですが 今後の人工増と自動車普及拡大が
効いてきて 排出量を上回るのは見えています。

そこで日本は結構規制強いですから 削減は難しいですが
これまで無尽蔵状態でエネルギー使って来たアジア諸国は
ホンの少しの努力でも大幅削減が可能な様に思います。

ますます日本には厳しい情勢です。
そんな中でも イニチアシブを取って前進して頂きたいって思うのです。

また日本のオフィスや家庭からの排出量削減は
これまで手つかず状態だった事からも 今後重要なポイントになりますよね。
Posted by Eye's at 2007年10月19日 16:55
"また日本のオフィスや家庭からの排出量削減は
これまで手つかず状態だった事からも 今後重要なポイントになりますよね"
ここが、重要な問題のような気がします。
一部では、自主努力にまかせるか? 条例等の法的拘束力を作るか?
といった、動きが有りますが、
 法的拘束力の適用によって、
 オーストラリアの水不足解消の為に、住民が監視されるのは、
 どうかと、
オフィスには、法人環境税を導入する等でしょうか?
Posted by ひろ くん at 2007年10月19日 17:38
です。

しかし また産業界(製造業)に負担を強いる事になりそうです。
そこが一番虐めやすいからですね(;^_^A

何度も挙げていますが ガラス張りの商業ビルや断熱を全く考えない
オフィスビルなんかは脆弱で諸悪の極みです。

家庭におけるポイントとしても やはり給湯や暖房でしょう。
ただ問題なのが 個人のお金と言う事で(税金も個人由来ですが・・)
なかなか踏み入れない状況があるかと思います。

簡単なんですよ。現在の一戸建てから借家に至るまで
最低 次世代断熱基準 もしくはその倍程度を推奨する様して
期限付きで直しなさい!ってしてしまうとか

電化製品や給湯設備をある一定以上の性能を持つモノに
買い換えなさいとか 独裁的に決めてしまえば
家庭やオフィスの排出量は増加どころか 劇的に削減出来ます。

ただ・・それは難しいですよね(^-^;

なので せめて新しく家を建てたり リモデルを考える方には
ちょっとだけでも その辺考慮して頂けると良いかと思っています。
全体のシェアとしては 家由来の排出も3割を超えますから。

実際その際は 後々の光熱費や住み心地のゆとりが
使ったお金以上に恩恵を与えてくれると考えています。

環境税もそうなんですが何の為に使うか どれだけ効果的かを
細かく想定しないと ただ税金取るだけでは納得出来ないと思います。

そこで私達が出来る事と言えば 何か購入する際
これはどれだけのエネルギーを使って作られたか?とか
どうゆう経緯で廃棄されるか?って事 吟味する事では無いかと
思ってもいますが如何でしょうか。

とにかく価格!って追ってしまうと見えない事も多いと思うのです。
 
しかし環境税の導入意義は 実効性のあるなしは置いといても
一般市民に削減の重要性を訴える事にあるのかもしれません。
Posted by Eye's at 2007年10月19日 18:11
ひろくんさん

昨日の続き ひとつの作戦挙げときました(;^_^A
Posted by Eye's at 2007年10月20日 09:11
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