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2007年12月14日

木を丸ごと全部使う

昨日スギは悪者か?で書いた
木を一本丸ごと全部使うって件
記述不足で いくつかご質問頂いたので その補足です。

『木を全部使う』って表現は その言葉のままで
捨てる所を作らないって意味です。

これは 自治体の規制緩和も必要なのですが
製材から出荷まで 包括して終結出来る事が求められます。

今 私トコで契約させて貰ってる製材所は
建築用KD材生産量では 日本で1・2位を争う材木屋さん。

本日は その製材所さんのご紹介。

こちら日本で言う所の一次問屋に当たるので
本来は いち建築屋な私などが直接取引出来る所ではありません。

実は高山にも一部 問屋通じて卸しているそうですが
商社や問屋を噛ませなければ 通常は取引できません。

ただ 一度工場や植林・造林体制を見学させて頂き
感銘を受けこれは是非!とお願いし
お付き合いを許して頂いた訳ですが どーやったかと言いますと・・。

全国同業数社でNPO法人を作って 一度そちらを通して購買する
と言う形を作ったのですが NPOですから利益は取れません(笑

そぅ ダイレクトに仕入れ出来るんですねぃ。
それが企業努力ってモノです(笑

今回は そちらに迷惑が掛かると困るので詳しくは割愛しましょ。

もちろん輸入材に関しては その辺りの柵が無いので
ダイレクトに取引となります ( ̄^ ̄)v

さて 紹介が長くなりましたが 端的に何処に惚れたかと言うと
扱う樹種の素晴らしさや 植林・山の手入れはもちろんなのですが

そちらの製材工場 木材の人工乾燥等に使うエネルギーが
ゼロエミッションだったのです。

こちら KDされカットされた木材が製材機から出てきたトコ。
↓ちょうど120角の柱が出てきた所です。

 
  
丸い樹木から四角い柱や八寸等の大経角の製材を
切りだそうとすると どうしても損失が出ます。

最初から損失が少ない様 木取りしますが
それでも出てしまう端材は フィンガージョイント等して
一本の製材にしたり 積層して一枚の板にしたりします。

  
  フィンガージョイントでの継ぎ
  材料の木口端部を手の指状(フィンガー)に加工し
  その加工部をはめ合せ圧締接着して長い材料を作る手法です。


また平均経40㎝であっても下は太く 上へ行けば細くなるのが樹木。
その切れ端で2M程度の木材では建築用には使えません。

↓向こうに積んである木が長さ2M以下の材木

 

でも ジョイントして板にしたりすれば十分仕えますよね。
もともと値段の付けられない様な材料ですから
日本一安い積層板の出来上がりとなります。

ある意味 廃材利用かも(笑

そして そこまでしても出てしまう樹皮や端材は取っておいて燃やします。

燃やす?

はい。こちらの工場から出る無垢製材はキルンドライ材として
含水率16%以下にするまで人工乾燥を掛けます。

その高温乾燥には 化石燃料を燃やさなくてはいけません。

こちらの工場も 例に漏れず数年前までは
月/800万円以上灯油を燃やしていたそうです。

それが 今はゼロ

捨てるだけの木材を燃やして 燃料としているんですね。

これには 行政の認可と言うお墨付きも必要ですが
何年も交渉して OKを貰ったとの事。

それが今では カーボンニュートラルなんて
カテゴリーされちゃってなんて 笑ってみえました。

カーボンニュートラルには多少の異論があるけど
がんがん原油燃やすより 廃材利用で全然有意義。

月/800万円燃やしていた灯油がゼロですよ。

これまで 捨てるしかなかった端材が燃料になっているのです。

そして 燃やして出た灰は仏壇屋さんに売ると言う(爆

まさに ゴミが全く出ない製材所なのです。

あと これで廃熱から発電出来て 工場で使う電気も
自家発電出来れば完璧ですよね(笑

が・・電力会社と行政が認めてくれないそうです。
(その辺で 行政の協力が必要だって事です)
残念ながら岐阜県も無理との事でした。

これその工場内で 今私トコでやってる4Mの
↓国産無垢大径材で組む大空間トラスの原型。

 

 この工場でもやってあったぁ(笑

現在私トコでは こちらから仕入れた木材を使った
ティンバー造を建てられるクライアント様には
強制的に(笑) 苗木代として2万円頂いています。

そのお金で 苗木を買ってもらって植林するのです。

はい。

伐採→製材→乾燥→二次製品→廃材利用→植林→育成→伐採

と 一連のサイクルが確立出来た訳です。

解りますか?モノが木だけに サイクルは大きく長くなりますが
こんなシステムの中で購買を行えば
どこで何使ってあるか解らないモノ買っちゃうより

確実に責任ある選択が出来ると思うのです。

もちろん うちのCANADA提携工場等は その辺抑えていますが
国内では まだ数が限られています。

そこで今後は国内流通も そんな視点からコストも絡め
流通ラインを増やして行く予定です。

業者選びって そんな視点から選ぶと 意識しなくっても
貴方の購買は地球にも財布にも優しくなるぞと。


うーん・・話の路線が・・



今日は 半分宣伝って事で   icon11



ま 建築業者に限らず 何か購入する際のお店選びには
仕入れ側が 流通を把握している店から買うなんて発想も
持続可能性の模索から見ても 近道なんぢゃないかなと。  

Posted by   Eye's   at 11:05Comments(8)家を建てる前に